本システムが生まれた背景
この「フードバンク業務管理システム」は、弊社の地元である神奈川県平塚市の認定NPO法人 フードバンク湘南さんとの出会いにより生まれました。
私たちは長年、全国のEC事業者向けに業務管理システム(助ネコEC管理システム)を提供しておりますが、徐々に地域社会にも目を向けるようになり、ある時、地元のフードバンクの存在を知り、一寄付者として訪問しました。
主婦の方々から学生さんまで、ボランティアの皆さんが一生懸命活動されていて、重いお米を「助かります!」と満面の笑みで車から運んでくださり、とてもうれしい気持ちになりました。
帰り道、「あの人たちの為に何かしてあげたい…」そんな気持ちが膨らみ、「フードバンク専用のシステムを無償で開発し寄付したら…?」という思いに至りました。
そうした思いを認定NPO法人 フードバンク湘南さんに伝えましたらとても喜ばれ、さらに以前からフードバンク活動に協力的だった市の環境政策課さんの助言も加わり、システム導入を含めたフードバンクの活動計画は、「市民提案型協働事業※」に認定されました。
市民提案型協働事業とは
※市民提案型協働事業とは、市民活動団体と行政が協働で行う公益的な事業で、市から一部の活動予算が3年間付与されます。
協働事例:「平塚市食品ロス削減事業並びに相対的貧困解消事業」(令和2~4年度)
市内で発生する食品廃棄物(食品ロス)の削減と、相対的貧困の解消を目的に、事業者がまだ食べられるのに廃棄になってしまいそうな食品の情報を登録し、在庫管理、事務処理が一括でできる WEBアプリを開発し、登録された食品の回収と、生活困窮家庭などの食品を必要とする家庭等に無償配布します。
年配の方でも使える操作性を実現
私たちも、この市民提案型協働事業に協力する形で、ワクワクしながら開発をしました。
たまにしか来られない年配のボランティアさんであっても、難しくなく、簡単・便利に使えるような分かりやすさへの工夫、プラスαの利便性や効率性を随所にちりばめました。
決して「行政からの予算内で、必要最低限の機能を作り、儲けを確保する」というものではありません。私たちならではのこだわりで「使いやすく、良いシステムにしたい」と開発しました。こうした独自のがんばり自体が、私たちからの寄付だと思って。
(元々、無償開発のつもりでしたので、開発予算は諸経費を除いてほとんどを認定NPO法人 フードバンク湘南さんに寄付しました。)「これが、私たちのこのシステムに対する想いと、本システムが生まれたエピソードです。」
全国のフードバンクさんの支援へ
さて、もう一つお伝えすべきことがあります。フードバンク活動というセーフティネットがあることで、人生のある苦しい時期でも、安心して住める街がある、応援してくれる人たちがいる、というのはとても心強いことだと思います。
それは日本中、変わりません。だからこそ、フードバンク活動をされる団体さんは、全国にいらっしゃいます。そこで、「全国の方々にもこのシステムを使っていただけたら」という思いを共有したところ、平塚市、認定NPO法人 フードバンク湘南さんからご快諾いただきました。
2024年5月から、一般社団法人全国フードバンク推進協議会さんの令和6年能登半島地震による被害への緊急支援活動に関して、一助になればという想いで、3年間のシステム無償提供を開始しました。
システムの提供にあたっては、現地の復興支援拠点「フードバンク能登」さんへ出向き、応援の方々と共に、2日間にわたり倉庫内での在庫登録作業の支援を行いました。
私たちはこれからも「多くのフードバンクさんが利用可能な機能」を無償で追加開発していきたいと思っています。
一方で、サービス運営を持続させ、また「生活困窮者」「寄付者」という機微なプライバシーデータを守るための情報セキュリティには、それなりのコストがかかります。そのため月々の「利用料金」をご負担いただくことには、ご理解いただきたく存じます。
フードバンク業務管理システムは、情報セキュリティの国際規格である「ISO27001」を取得しています。
特許の取得について(特許第7400036号)
私たちは、「商品管理システム及びプログラム」に関するライセンスを、特許権者である長谷川智史(アクアリーフ代表)との契約により取得しています。
特許取得の背景には、「国内のフードバンク団体それぞれが、システム会社に開発を発注すると、その費用はもったいなく、その予算を福祉に使ってほしい」「私たちがシステム開発と更新を無償で行えば、フードバンク活動の持続可能性を高めることに繋がる」と想いがあったからです。
SDGs&フードバンク事業の発展を願って
最後に、時代はSDGsが叫ばれるようになりました。
本システムはトレース情報(寄付者→受給者)の活用によって、フードバンクの皆さんの作業効率を上げ、より多くの企業や個人の皆さんからの食糧・物資を、より多くの生活困窮者の皆さんへスムーズに提供し、結果として食品ロスを削減することを可能にしていきます。
本事業が持続可能な世界への貢献につながることを願っております。